アーカイブ | 7月 2020

Mリーグ2019はU-NEXT Piratesが優勝

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大和証券Mリーグ2019シーズン(レギュラーシーズン)が終了。その後、メインスポンサーが朝日新聞に変更となって朝日新聞Mリーグセミファイナル・ファイナルが開始され、セミファイナルシリーズを終了した時点で新型コロナの影響で中断を余儀なくされたが、2020年6月15日からファイナルシリーズが開催され、U-NEXT Pirates(小林剛・朝倉康心・石橋伸洋・瑞原明奈)が、大逆転で優勝の栄冠を手にした。


全12半荘の短期勝負で5勝したのは見事ですし、選手全員が1勝(小林選手は2勝)しかも、最終戦の小林選手のトップ以外は70pt超え(素点で50,000点超)の大きなトップで加点しつつ、ラスを僅か2戦に留めたことでポイントを大きく減らす事が無かったことも見事だと思います。
まぁセミファイナルを首位で通過したサクラナイツがファイナルで7ラスなので5ラスを残り3チームで分けていると思えば普通のことでしょう。その2ラスを4位回避率が高いエースの小林剛選手が喰らっているのは面白いところですね。
サクラナイツはレギュラーシーズンの好調と、セミファイナルの絶好調とは裏腹にトップ無しの7ラスは辛いファイナルになった。ただ、新規加入し、最年少と最年長の選手が居たり、沢崎選手の現代では主流となっているデジタル指向の麻雀とはかけ離れつつもトップを獲る麻雀は視聴者を釘付けにし、Mリーグの更なるファン獲得に貢献したと言えるでしょう。
ABEMASは最終戦の特殊条件での多井隆晴選手がラスを喰らっただけだったが、3勝しか獲れなかった事でポイントを加点出来なかった感じが、実際には3着が5回と微妙にポイントを減らしているのが痛かったかもしれません。
セガサミーフェニックスは、一番悔しい想いをしているでしょう。レギュラーシーズンは安定の首位通過で、セミファイナルでは若干ポイントを減らしたモノのファイナルシーズンでは常に首位に位置し、最終日開始前まで首位に居ただけにレギュラーシーズンを6位で通過したパイレーツに大捲りされたのですからね。ファイナルの成績も4勝2ラスと決して内容も悪くは無い。ただ、4勝の内3勝が50pt以下と言うギリギリのトップだったことと、レギュラーシーズンの4位回避率トップの近藤選手が2ラスを喰らっているのが結果として優勝がすり抜けた原因かもしれないが、それはあくまで結果論で、優勝しても全く不思議では無い成績だと言える。
Mリーグ2019シーズン最終成績
こうして結果を見ると、2期連続でセミファイナルやファイナルに最下位で進出したチームが優勝してしまうと、「結局『運ゲー』だよね」と言われてしまうのも致し方無い事になってしまう。
その最大の原因は確かに麻雀というゲームの『運』の要素が占める割合が大きいと言うのもあるが、ポイントの持ち越しがあるレギュレーションだと思う。
2019シーズンを見てみても、首位通過したフェニックスはセミファイナルで247.7pt減らされ、ファイナルで86.0pt減らされている。
一方パイレーツはセミファイナルで101.2ptマイナスが減り、ファイナルで1.7ptマイナスが減っている。単純には言えないが、フェニックスは333.7pt減らされているのに、優勝したパイレーツは102.9pt得をしているのだ。プラスとマイナスで436.6ptは直接対決でトップラス4回決めないと詰まらない点差が自動的に加減されている。
チームの点差を半分にして、セミファイナルやファイナルを面白くしたいという意向は理解出来るが、プロスポーツのセミファイナルやファイナルがある競技で、成績上位のチームが一番不利を被ると言うのは聞いたことが無い。
麻雀ではホールアンドウェイは無いのでホームで麻雀が出来るから有利というのは無いだろうが、成績下位のチームが得をしてしまうのは疑問に感じる。現在の8チーム制でセミファイナル・ファイナルとするレギュレーションであれば1/2→1/2ではなく、せめて1/4→1/4か1/2→1/4の減算で良いと思うし、マイナスポイントは減らないとかもあって良いと思うし、極端な言い方をすれば、セミファイナルでは、レギュラーシーズンの成績などリセットして、通過順位で上位から500pt・400ptとして6位通過は0ptと100ptずつのビハインドを割り振る事でも良いだろう。(ファイナルが1位が300ptで4位が0pt)
更には、場決めは成績上位から好きな場所を指定出来るなどのアドバンテージとは言えないかも知れないが、多少の恩恵と不利があっても良いと思う。


また、レギュラーシーズンの個人成績での表彰があるのだから、レギュラーシーズンとポストシーズンを明確に分離する意味でも、レギュラーシーズン上位チームにも多少の賞金が出るべきだと思う。
1位チームに2,000万、2位チーム1,000万、3位チームに500万くらいの賞金があれば、レギュラーシーズンの後半でも上位チームはトップにある程度拘ることも出来るし、今年のセミファイナルで敗退となってしまったコナミもレギュラー3位なので、所属選手1名分の年俸は賞金として補充されることになる。
サポーターの年会費やグッズ販売、サポーター専用のパブリックビューイング入場料だけでは到底選手の年俸やスタッフの給与など維持運営していくだけの収益は出せない状況だろうから、Mリーグ機構から放映権などの分配金が出ないと、企業として競技麻雀チームを持っておくメリットが無ければ、企業として撤退を考える時も出てくるかもしれない訳で、少しでも各チームになんらかの形で分配するような仕組みを作っておくべきだと思う。いつまでも藤田晋氏の個人的な資金を投入していては長く継続するのは不可能になってしまうだろう。

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