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Mリーグドラフト後考察

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Mリーグの2019年シーズン開始に向けてドラフトが終了した。
前日の予測では
KADOKAWA:内川幸太郎(連盟)・藤崎智(連盟)・日向藍子(最高位戦)or岡田紗佳(連盟)
TEAM雷電:山田独歩(最高位戦)or岡田紗佳(連盟)
segaサミー:渋川難波(協会)or石井一馬(最高位戦)
パイレーツ:水口美香(協会)or瑞原明奈(最高位戦)
コナミ:山井弘(連盟)or和久津晶(連盟)
ABEMAS:朝倉ゆかり(協会)or山脇千文美(連盟)
風林火山:二階堂瑠美(連盟)
ドリブンズ:瑞原明奈(最高位戦)or愛内よしえ(協会)
KADOKAWA:松ヶ瀬隆弥(RMU)



結果は
KADOKAWA:◎内川幸太郎(連盟)・沢崎誠(連盟)・○岡田紗佳(連盟)
TEAM雷電:なし
segaサミー:▲和久津晶(連盟)
パイレーツ:○瑞原明奈(最高位戦)
コナミ:▲藤崎智(連盟)
ABEMAS:▲日向藍子(最高位戦)
風林火山:なし
ドリブンズ:丸山奏子(最高位戦)
KADOKAWA:なし

まぁ自分で言うのも何だが、そこその正解率かな?と思う。
確かに、内川pは鉄板だし、パイレーツは1/2の確率だからね。
驚いたのはKADOKAWAの沢崎プロの指名。コナミっぽい感じで次世代を担う若手男子プロと玄人好みの重鎮で頼れる存在。そして多少雀力は劣るがそれなりにTV対局での実績もあり、ビジュアルも魅力があり、麻雀の未熟な部分を叩かれてもへこたれないメンタルを持ち合わせている女流の組み合わせ。バランスは悪くない。
確実なのは、KADOKAWAも連盟寄りだと言う事。

雷電の追加無しは残念だが、鈴木達也プロがオンレートの雀荘オーナーでは無くなるのを待っている可能性がある。ノーレートにしたらすかさず指名する可能性がある。萩原も認めているし協会プロながらアナログ寄りなので、雷電のチーム色にマッチしている。

セガサミーの和久津はサプライズ。発表時の監督の「シテやってやったぜ!」感がある顔が印象的だった。気になるのはKADOKAWAで和久津が選ばれていたらどうしたのだろう?とは思う。しかし、女性3名男性1名の構成は相当チェレンジ精神がある。

パイレーツの瑞原は順当だろうが、実績では水口かと思うし、独身であるのはファン層は広がったと思うけどどうなんだろうね。やはり天鳳9段の実績と的確な実況が評価されたのだろう。蛇足だが、連盟ファンの殆どはスリアロを見ないので瑞原を知らないだろうね。

コナミの藤崎は初めから決めていたのか微妙な所。チーム色としては少し異質の打ち手だが、バランスは良くなったと思う。セガに和久津を取られなかったら「チームがらくた」の完成を見たかった連盟ファンは多いだろう。

アベマズは苦渋の選択とは言わないが、実績とキャラクターと男性3人のマシンガントークに耐えうるだけのポテンシャルを考えると日向は当然だろう。朝倉ゆかりプロや水口美香プロなども選択肢にあっただろうが、なんだかんだ濃い3人に囲まれたらやはり日向は妥当だと思う。

風林火山の無しも残念。瑠美の可能性もあっただろうけど、ある意味で亜樹・滝沢・勝又の3人は完成形だから崩したく無いのかもしれない。

ドリブンズの丸山奏子はディナーショウで公言していたと言うが相当チャレンジな指名。
プロデビューが浅いのは岡田と同じだが、完全に無名だし、TV対局での実績は殆ど無い。
サプライズは園田の例もあるが、実力は充分だったし、自社の社員なので指名は当然と言えば当然だろう。さて、丸山プロだがメンタル面が心配。全力で支えるとのコメントがドリブンズから出ているが、メンタルはそうそう鍛えられるモノでは無い。これだけ業界では注目されているMリーグでネットで叩かれた時のダメージは相当大きいだろう。これは高宮や岡田も通っている道だが彼女たちはそれなに耐性が出来上がっている。
丸山がどれだけ成長するかを見守りたい。

最後にKADOKAWAが4人目を指名せずに全指名選手が出揃った。
全8名の指名となったが、協会プロが1人も選ばれていない。
この結果は協会所属プロとしたら衝撃だろう。
あくまで私見だが、これは協会がスリアロチャンネルとズブズブの関係になっていることが多少なりとも影響しているだろう。利益相反の関係なのだ。
アンチ連盟のファンからすれば金プロが選ばれない事に色んな思いもあるだろうが、協会プロの多くがスリアロ・マーチャオと深い関係にある以上、選ばれる可能性は低い。
指名プロは主要5団体となっているが、RMUは多井・麻将はコバゴーが居るので入って居るが、タレントは多くない。そうなるともしも選手が増える事があっても、連盟か最高位戦から選択される可能性が高いとなる。
もしかすると、今回の結果を踏まえて連盟と最高位戦に所属プロが集約される可能性もあるだろう。

連盟は独自の配信スタジオとチャンネルを持っているが、最高位戦も協会もRMUも麻将連合も対局の配信はスリアロチャンネルとなっている。つまり、連盟は配信のスタッフも自団体のプロで配信などの収益の一部は選手に還元している。しかし、連盟以外の選手は殆どがスリアロチャンネルに収益を持って行かれている現状を一日も早く理解すべきだろう。
また、なんだかんだ言ってアンチが多い連盟の森山会長だが、連盟主体のチームがKADOKAWA・雷電・コナミ・風林火山と4チームもあることを考えれば、そのビジネス手腕は見事と言えるし、見えないところで各企業やメディア媒体への営業活動も行っている成果がMリーグでも遺憾なく発揮されていると言わざるを得ないだろう。
連盟は所属プロも多いので、中々日の目を見るのは難しいかも知れないが、真剣に麻雀プロとして努力していれば必ず引き上げて貰えるし、メディアへの露出も増えるのは間違い無い。そして、スタジオの運営スタッフだったり、道場のスタッフなど自団体にキャッシュポイントを持って配分できるビジネスモデルも完璧では無いが有しているので、連盟プロとして喰っていける可能性を持たせているのが魅力だろう。

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Mリーグ発足

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遂に!と言うべきか、とうとうと言うべきか…。
兎に角、競技麻雀・麻雀プロ・麻雀界にとってとてつもなく衝撃的で画期的な発表がなされた。
その仕掛け人はサイバーエージェント社長の藤田晋氏。そしてMリーグの最高顧問は川淵三郎氏。
個人的には藤田社長ならきっと何かを遣ってくれると思っていた。
ただ、麻雀界の状況やイメージなどを鑑みると相当難しいので、かなり大胆な事を仕掛けないと難しいだろうと思っていたが、流石は行動力と実行力と資金力がなせる技。
ただ、順風満帆な船出では無いだろう。

ここからは完全な個人的な意見と考えです。
メインスポンサーと言うか参加チーム(企業)が7チームとなっているのは恐らく8チームを目指していたが、ギリギリで辞退となったのか最終的な折り合いが付かなかったのだろう。
麻雀は基本的に4人で行うゲームだけに7チームでは組み合わせが面倒だ。






1チーム3人の選手と言うのも少ないと思うが、所属プロ選手の年俸を考えれば妥当なのかもしれない。
ギャンブル・博打とは一切縁を切ると名言し、それに拘わった選手は参加させない!とも明言しているだけに、ノーレート以外の所謂「フリー雀荘」勤務はNGだし、ゲストとして打つのもNGと考えるのが妥当。更に言えばノーレート以外の雀荘を経営している現役プロの参加もNGだ。つまり、現在の麻雀プロの大半がこのMリーグが大きくなれば、自ずと収入源が減ることになると言う諸刃の剣だ。よって、初期の参加プロ(ドラフトで選ばれるようだ)には、このMリーグに参加しているだけで、生活に困らないだけの年俸を保証する必要が出てくるだろう。
そう考えれば最低年俸で800~1,000万円程度が妥当だと考えられる。一見1,000万円は高額だが、税金やら社会保障費を支払うことを考えれば決して多くは無い。仮に一人1,000万円として3人で3,000万円。これに運営費などを加味すれば、チームは年間5,000万円程度の出費がある。恐らく立ち上げ当初はそれに見合うだけの収入は得られないので、殆ど持ち出しだろう。企業にしてみれば広告宣伝費でしか無い。
Mリーグを定着させ、放映権料や観客のチケット代である程度の収支のバランスが保てるまで地道な活動が求められる。
兎に角、最大の問題はチーム運営費を回収できるかどうかに掛かっているように思う。
しかし、藤田氏の事なので何らかの方法をある程度は描いているに違いない。

麻雀界の新たな一歩は様々な人々を巻き込んで、競技麻雀の真のプロ化に大きな一歩を踏み出したように思う。

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「三方良し」の画期的な業務提携

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日本プロ麻雀連盟とイオンファンタジーが業務提携
http://www.fantasy.co.jp/company/wp-content/uploads/
​​​​​​​​​​2017年11月13日に、雀荘業界としては画期的な一大ニュースが発表された。
それは、プロ麻雀団体最大手の日本プロ麻雀連盟と、イオン株式会社の子会社である、イオンファンタジーが、健康麻雀の普及に向け、業務提携を結んだ!と言うもの。

確かに「健康麻雀」と言えば、「日本健康麻将協会」(1988年設立)や「麻将連合μ」(1997年設立)が先駆者かもしれないが、いかんせん規模が小さすぎる。

日本健康麻将協会は特に自団体をプロ化しておらず、基本的には運営面で活動している程度。
麻将連合μも認定プロは21名(2017年11月現在)と少なく、認定プロになるためのツアー選手もそれほど多くない。また、認定プロになるためには健康麻雀の普及活動に日頃から尽力することを求められているが、団体としての応援は基本的には無い。

イオングループでは「朝活」と称して通常の開店時間を2時間早めることで、無料参加できる体操や囲碁、将棋などを楽しみ、仲間とカフェで朝食をとるサービスがヒットし、店の売り上げは前年同期比で30%増と好調な企画なのだ。
顧客の要望もあるのだろうが、健康麻雀だけでなく麻雀教室の需要も見込めると判断したのだろう。更に麻雀を知れば必ず聞くであろう有名・人気プロがゲストや講師として来店するとなれば、安定的なシルバー層の囲い込みに繋がり、売り上げアップが見込める訳です。それには人気プロや有名プロが多く在籍する日本プロ麻雀連盟を選択するのは必然だったのでしょう。

「健康麻雀」にとどまらず、麻雀は手先を使いながら考える(脳を使う)必要がある。まして「競技麻雀」とは異なり自分を含めた3人の仲間と日常のことや、今の麻雀の手牌や相手の待ち読みなどの会話するため、認知症予防の効果があると言われており、篠原教授(諏訪東京理科大)の研究により年齢が3歳若返えるとの実証もあるほどです。
また、アメリカの研究により、マージャンをやっている人は認知症発症率が低いことが証明されています。
つまり、「健康麻雀」を普及することは、麻雀人口の増加という麻雀界全体の底上げだけではなく、認知症予防と言うある種の社会貢献に繋がる事業の一躍に現役プロが講師やゲストとして参加出来る訳です。
社会貢献とまではいかなくても、先日終了した​「第二回世界リーチ麻雀選手権」​にも、第一回大会から連盟はメインの協力プロ団体として多くの在籍プロを選手として派遣(選手の渡航費や宿泊費は選手の自己負担)しており、ある意味で身銭を切って麻雀の普及に尽力している。​​​​​​​​​​※主要プロには森山会長より半強制参加のお達しがあったとか無かったとか…





話を元に戻せば、ひとまず全国100店舗程度を目標とし、その第一歩として、提供されるサービスが、健康麻雀「東一曲」の新規オープンとのこと。
これは狭い麻雀業界にしてみればメチャメチャ大きい規模だ。
一般的なフリーのリーチ麻雀チェーン大手でも全国で10店舗~15店舗しか店舗展開出来ていない。
毎日の営業では無いにしても規模で言えば10倍近い店舗展開である。しかも関東や大阪・福岡など大都市圏だけではなく地方にも健康麻雀「東一曲」が出来るわけで、連盟に所属している地方在住プロの収入源となり得る。

麻雀プロと言っても、プロ野球やプロサッカー選手と違って、契約金や年俸が所属チームから支払われる訳で無く、どちらかと言えばプロゴルファーや稼げる金額で言えば、女子プロボーラーに等しいくらい稼げない。​​​​​​​​​​※まぁプロゴルファーでも底辺は稼げていないだろうし、プロボーラーのトップは年収2,000万円超えるらしいが…

プロ雀士の殆どが、麻雀店勤務か会社員(プログラマーとかSEとか個人事業主も居る)との両立で、所属団体に毎年登録料を支払って「プロ」を名乗っている状況である。
それが、所属団体が業務提携して全国展開で仕事が出来る場所を提供するわけで、地方在住のプロや若手・中堅プロにとっては少なからず有り難い事だろう。絶対では無いが、麻雀プロが麻雀を生業として活動を続ける足掛かりにはなる。

ここ数年、インターネットでの生動画配信が活況となり、麻雀界も多分に漏れず多くの対局番組が放送されているが、自団体のリーグ戦や自団体主催のタイトル戦を自前のスタジオから放送しているのは連盟しか無く、この放送番組を製作し配信などの運営、ナレーションや実況・解説も自団体所属のプロ雀士が担っている。そうして少しでも所属プロが稼げる環境をどの団体よりも積極的に行っているのが日本プロ麻雀連盟だ。
全てを纏めると、

  1. ​​ イオンは健康麻雀「東一曲」を全国展開する為の講師などを含む人材が確保でき、本業の売り上げアップにも繋がる。
  2. 健康麻雀「東一曲」に来店するシルバー層は著名プロや人気プロなどに会えるチャンスが広がり、麻雀プロから直接指導して貰えたり出来る。更に認知症予防にも繋がり、健康で元気に暮らせる。
  3. 所属プロは収入を得る場所が増える。
  4. 連盟はプロ団体として社会貢献出来るだけでなく、所属プロが麻雀を生業として生活できる環境を提供することで、所属プロの更なる獲得やレベルアップにも繋がる。
  5. 麻雀業界としては、麻雀人口の増加が期待出来るし、麻雀=ギャンブル(賭博)と言うダーティーなイメージ払拭にも繋がるだろう。

​​

など、多くのメリットがもたらされる事になる。
無論、旧態然とした「賭博」と言う違法性の要素を多分に含んでいるゲームだけに、業界団体だけでなく麻雀ファン全体の自浄作用も必要だろう。筆者からすれば麻雀のギャンブル性は胴元が居るわけでは無く、卓を囲む客4人での単純賭博であり、パチンコ・パチスロの三店方式換金の方が遙かに違法性が高いと思うし、どちらかと言えば、お客がお金を掛けないで麻雀をして何が面白いの?と言う要望が多いから、麻雀店もそうしているだけで、最近多く見るようになったノーレートの麻雀店の方がお客が多くなるのであれば、一斉にそちらにシフトするだろう。麻雀店経営者が自ら違法賭博で逮捕されるリスクを背負ってまで経営する必要が無くなれば良いのだ。​​​​​​​​​​※単純賭博を助長したり、正当化しているわけではありません。





今後は講師やゲストなどでの所作やシルバー層にも分かり易い丁寧な指導方法、言葉遣いなども要求されるだろうが、連盟であればシッカリと対応するだろう。

    • インターネットオンライン麻雀ゲーム「ロン2」の開発・運営。
    • コナミ(株)との業務提携による遊技機「麻雀格闘倶楽部」へのプロ雀士の参戦やタレント派遣。
    • その他、CSなどの対局番組の共同製作やタレント派遣など

様々なビジネス展開を着実に行ってきた日本プロ麻雀連盟だが、その殆どが現会長の森山茂和氏の手腕に寄るところが大きい。
森山会長のビジネスマンとしてセンスはおそらく一般企業の経営者、或いは起業家としても抜群なのだろうと思う。

個人的にはこうした活動を通して、様々な経緯があって複数のプロ団体が存在している状況が、最終的には一つのプロ組織として纏まり、プロ認定試験も統一され、健全なゲーム・スポーツとしてスポンサー企業も付き、年間を通した競技麻雀のツアー(イメージはプロゴルフツアーみたいな感じ)などが開催される事を願うばかりである。

そうなれば、四人麻雀・三人麻雀も含め、現在の連盟公式ルールやWRCルール、最高位戦ルール、最高位戦Classicルール、協会ルール、モンドルールなど、様々なルールの下で成績に応じたポイントを獲得して年間王者を決めることも可能だろうし、一般参加も出来るようになるだろう。
また、数多くの伝統あるリーグ戦は消失する可能性はあるが、タイトル名は残せるし、数多くの試合が行われれば、ルール毎の上位者によるプレーオフでそれぞれの冠タイトルの重みも残せる可能性は高い。
「プロ」と呼ばれる選手が居る競技ながら、運の要素が占める割合が多い麻雀は、おそらく唯一「プロに勝てる」​競技であり、アマチュアからすればそれも楽しみの一つである。​​​​​​​​​​※あくまで半荘1回や2回の勝負ならばで、長く戦えばプロが勝つ。
だからこそ、競技麻雀・健康麻雀が普及しやすい素地があるだけに、各団体が個別に活動しているのが残念でならない。
現状の競技麻雀界は「三方良し」では無いのだ。各プロ団体のトップや上層部達が一日も早く行動してくれることを切に願うばかりである。​​​​

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