アーカイブ | 6月 2016

第10期夕刊フジ杯争奪麻雀女王決定戦チーム戦での大逆転劇

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優勝の2文字が掛かった大一番のオーラス親番。
条件は116,000点差を捲ること。
オカとウマがあるルールなので実質的には現状トップから倍萬直撃。
しかし、和了止めが無いルールなので、倍直しても次局400-700ツモされれば再逆転される厳しい条件。
こうした厳しい条件を逆転することは競技麻雀では結構起こる。
何故、こうした絶望的な条件での大逆転が起きるのか?
それはいくつかの条件が揃ってしまうから…。
ターゲット以外の2人の条件がほぼ役満直撃か自摸条件となっているので、国士や四暗刻などの無理な手組をするので、軽く上がりたいトップ者が役牌の字牌を鳴けない。ほぼ一騎打ちになるので、多少巡目が遅くなるような高打点を作りやすい。
しかし、大事な条件は2つ。
ほぼ役満条件の2人が逃げ切りを狙いたいトップ者の一向聴や聴牌気配を察知して、安易な危険牌を放銃しないこと。
そして、逃げ切りを狙いたいトップ者が点数状況から「1回なら打っても…。」と聴牌を崩さず放銃してしまうこと。
一方真逆のパターンで危険牌を押さずにオリを選択して、和了逃しをしてしまうこと。

先日の第10期夕刊フジ杯争奪麻雀女王決定戦のチーム戦での大逆転は前者のトップ者が放銃してしまい起こった。
その大逆転劇を演じたのは池沢麻奈美。
池沢麻奈美 大逆転優勝
こんな天真爛漫な笑顔を見せる彼女だが、ここ一番での強さは半端ない。

ある意味で放銃したトップの山脇千文美を責める事は出来ないだろう。
親の先制リーチで1人聴牌の流局後の1本場で、自分は絶好の嵌張を引き入れてのピンフ聴牌。
自分の捨て牌に筒子が切られて居ないのが不安要素かもしれないが、親は萬子の染め手なので、筒子待ちなら親以外からの放銃もありそうだし、現に親の捨て牌の現物待ちなのだ。
しかし、山脇のアタリ牌は上家の愛内よしえが切らない。山脇が2索のトイツ落としで聴牌した後にほんの一瞬だけ3筒を切るような素振りを見せたが、「親の現物や筋待ちはあり得る。」と読んだのか本人に聞かないとわからないが、ダブルワンチャンスの3索を選択したことで、大逆転劇の陰の立役者となった。
※1222の形から2の対子落としでの辺3待ちは打点(一通)を作る必要が無い状況ではあり得ないが、7巡目の7索手出しからツモ切りが続いての2索対子落としなので、ダブルワンチャンスとは言え裏筋+間4軒の3-6索は超危険牌なのだ。
結果的には逃げたいトップの山脇が池沢に18,000点の放銃となったが、池沢が倍萬をツモる可能性もあるので難しいところだが、九萬で倍萬になっていた可能性も否定は出来ない染め手に向かわずオリの選択もあったかもしれない。

次局はまだ上がれば逃げ切りの山脇が有利だったが、配牌で3対子と絶望的な状況から七対子聴牌を仕上げた池沢がお見事。
幺九牌が持たれている可能性が高いことから1萬と2萬の選択で2萬単騎の選択は妥当だろうが、優勝の二文字が掛かった大事な場面でも冷静にそうしたことを判断出来る集中力は流石である。
池沢麻奈美
2萬対子から暗刻になった山脇がピンフの聴牌で2萬放銃になったのは最早「流れ」としか言いようが無いだろう。
麻雀で「流れ」の有り無しは様々な思いや考え意見はあるだろうが、彼女が置かれた状況で『優勝』を手にできる手牌になり、聴牌打牌がロン牌になる可能性が僅かでもあるからと言ってオリを選択出来る打ち手が何人居るだろうか?
連荘が絶対条件の親が七対子を選択して聴牌させ、単騎待ちでリーチをするか?更には、その単騎待ちの牌が自分が暗刻にした牌である可能性が何%だろうか?
確かにタンピン系の捨て牌では無さそうだが、完全無筋の2索や3索を切って聴牌維持する方が余程無謀だし、現物を打って迂回しても自分が和了を手にする前に親が和了を決める可能性の方が高く感じるだろう。従って、5萬が捨て牌にあるだけにピンフ聴牌出来る2萬切りは普通の選択で『罠』であると気づかない限り10人中9.5人は2萬切りを選択すると思う。

ただ、聴牌からの放銃で逆転され、しかも、自分が切らなければ和了が無い事は判ったので、この放銃は彼女にとっては悔やまれる一打だったかもしれない。
しかし、山脇も普段の言動などからは想像も出来ない程、麻雀に対しては真摯に向き合い、人一倍勉強している。2連続放銃で舞い上がって頭が真っ白になることなく、次局も必死に再逆転をする手組をする姿は立派であるが、一度失った「流れ」はそう簡単に取り戻せない。仕掛けても逆転出来るドラドラの手牌に早目になったが、その後にタンヤオドラ2を決める牌が上家の愛内プロから切り出される事は無く、親の池沢の方が聴牌一番乗りで高目三色のダマテン。
聴牌して直ぐに優月から八萬が放たれ、ほぼゲームセットとなった。

しかしながら、アマチュア時代に夕刊フジ杯の個人戦を優勝し、翌年も決勝卓に残って2位。プロになって2年目に野口賞を優勝。
更に今年は近代麻雀のプレミアトーナメントで男性プロに混ざって優勝してしまうなど、雀力の高さだけで無く、ここ一番での強さは誰もが一目置く女流であることは間違い無いだろう。
彼女が今後どこまで強くなり、幾つのタイトルを獲得するのか見守りたい。

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麻雀最強戦2016 女流プロ代表決定戦激突!タイトルホルダー

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日本で一番麻雀が強いものを決める戦い、麻雀最強戦の女流プロ代表決定戦。
激突!タイトルホルダー。
出場の8名は、昨年の最強戦の代表決定戦を制した石井あや・和泉由希子とプレミアリーグで優勝した魚谷侑未。
各団体の現役女流タイトルホルダーの宮内こずえ・大平亜季・佐月麻理子。
プロクイーンの童瞳、女流モンド杯から茅森早香。
今最も調子が良いであろう女流が実力ナンバー1を競います。

【出場者】
【A卓】
石井あや(最高位戦)vs和泉由希子(連盟)vs魚谷侑未(連盟)vs茅森早香(最高位戦)
石井あや,和泉由希子,魚谷侑未,茅森早香
A卓は実力伯仲。スナイパーVSアイスドールVSマーメードVS天才と誰が勝っても不思議では無い。1局勝負なので出産直後の和泉でも体力的なハンデは無いだろう。 
【B卓】
宮内こずえ(連盟)vs大平亜季(最高位戦)vs佐月麻理子(協会)vs童瞳(連盟)
宮内こずえ,大平亜季,佐月麻理子,童瞳
B卓は宮内・大平が実力的には抜けている印象。この2人に急成長の若手2人が挑む格好だが、雀力や上手さが2着抜けの条件を前にどのように発揮されるかが見物か?


【実況解説】小山剛志・河野高志・片山まさゆき
2016/06/25(土) 14:00放送開始。この番組はB卓の東1局まで無料放送です。

A卓、B卓 の順に半荘1回勝負を行い、各卓上位二人を決定。上位二人が決勝卓に進む。決勝も半荘一回勝負を行い、その優勝者が12月11日に行われる麻雀最強戦2016決勝ファイナルに進むことができる。
この模様はニコニコ生放送で生放送されるとともに、後日、近代麻雀で報道され、DVD化もされる。

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夕刊フジ杯争奪 第10期 麻雀女王決定戦チーム戦準決勝B卓

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東西とも各組4チームずつ(計10組)に分かれ、予選7節を行い優勝チームを決める。
各組優勝チームは準決勝に進出。各卓5チームずつで6回戦を行い
(最下位チームは5回戦終了時敗退)、各卓上位2チームが決勝進出。
決勝は半荘4回戦を行い、チーム戦優勝を決する。

今回はチーム戦準決勝B卓の試合を生放送。
●システム
各チーム4回戦ずつ戦い(計5回戦)上位2チームが決勝進出。
●出場チーム
大阪2組優勝:マーチャオ美影あや&涼宮麻由
美影あや涼宮麻由
名古屋1組優勝:雀サクッ佐藤あいり&池沢麻奈美
佐藤あいり池沢麻奈美
東京5組優勝:小岩RAKURAKU佐藤かづみ&清水香織&茅森早香
佐藤かづみ清水香織茅森早香
東京6組優勝:さかえ松戸店水瀬千尋&水瀬夏海&安達瑠璃華
水瀬千尋水瀬夏海安達瑠理華_001_150-200
東京7組優勝:麻雀BULL中野店上野あいみ&山脇千文美&柚花ゆうり
上野あいみ山脇千文美柚月ゆうり
準決勝B卓ではダントツで小岩RAKURAKUが実力上位でしょう。佐藤・茅森・清水の3人でメンバー構成は不公平感があり過ぎる。攻撃力は言うまでも無く、ポイント計算も上手に出来るメンバー構成だけに1枠は決まってしまったと言っても過言では無いでしょう。
二番手は難しいが、池沢が居る雀サクッと水瀬姉妹のさかえ松戸がイーブンな感じ。ただ、策士でもある山脇が場を乱すような展開で割を喰うチームが居れば難しい展開になるだろう。

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夕刊フジ杯争奪 第10期 麻雀女王決定戦チーム戦準決勝A卓

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夕刊フジ杯争奪第10期麻雀女王決定戦の個人戦決勝からおよそ2ヶ月の期間が空いて間延びした感じはあるが、チーム戦優勝争いの準決勝&決勝が3日間連続で行われる。
2016/06/15(水)はチーム戦準決勝A卓の試合を生放送。
●システム
各チーム4回戦ずつ戦い(計5回戦)上位2チームが決勝進出。
●出場チーム
大阪1組優勝:らいらい荘&牌テンション可南&里見寧々
可南里見寧々
東京1組優勝:clubNPM愛内よしえ&豊後葵&逢川恵夢
愛内よしえ豊後葵逢川恵夢
東京2組優勝:555新宿店シリウス東城りお&優月みか&山田真木子
東城りお優月みか山田真木子
東京3組優勝:KEIO石田亜沙己&井上絵美子&古谷知美
石田亜沙己井上絵美子古谷知美
東京4組優勝:まぁじゃんまっすー和久津晶&澤村明日華&日當ひな
和久津晶澤村明日華日當ひな
準決勝A卓チームメンバーを見ると、clubNPMの愛内・豊後のツートップは協会を代表する実力者だけに上位2チーム抜けでは頭一つ抜けている感じはする。
大阪1組優勝チームの可南も相当打てるので期待も高い。更に、2人構成なので調子が良い方が対局回数多くする事も可能なので多少有利に働くだろう。
全16名の中でダントツの実績と実力で抜けすぎている感じがするのは、「まっすー」の和久津プロだが順位をコントロールするタイプでは無いので、戦略的に序盤から登場してデカトップを獲って日當プロが気楽に打てる環境が整えば、澤村プロが上手く纏める事もできる。
いずれにしても5チームのリーグ戦形式での上位2チーム抜けだけに、その日の調子や運だけでなく戦略的に長けたチームが抜けるだろう。

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