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第16期プロクイーンは日向藍子(最高位戦)

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日本プロ麻雀連盟のプロクイーン決定戦が3日間で行われ最終日が2018年10月28日(日)に行われ、最高位戦プロ麻雀協会所属の日向藍子プロが見事戴冠となった。
10回戦終了でその時点の最下位者が途中敗退となるが、水口美香プロが涙を飲んだ。
第16期プロクイーン決定戦 総合成績


個人の成績を纏めてみました。

優勝の日向藍子プロ
加点と失点の差がプラス69,700点とダントツ。順位点が差ほど大きくなく、TOP賞(オカ)が無いルールで、素点を稼ぎ出して居るのが大きい。
和了時の平均点数も1位で和了時の加点が大きい割には、参加率も平均的なので効率よく加点できると言え、数字上も優勝にふさわしい内容だと分かる。

第16期プロクイーン決定戦 個人データ 日向藍子

準優勝の西嶋ゆかりプロ
リーチ率が少々低いのであまり手が入らなかったイメージではあるが、それでもリーチ時の和了平均点が9,760点と子の満貫点数を超えている。
ただ、数字に表れないビタ止め放銃回避があるので、データだけでは表示できない麻雀だったと言える。

第16期プロクイーン決定戦 個人データ 西嶋ゆかり

第三位の浅見真紀プロ
リーチ率が日向とほぼ同じだがリーチ成功率が高い。和了の平均点数が低いので打点は低いが良形待ちで手数を多くしているのだろう。ただ、和了に向かわない時に完全なベタ降りになっていると言う事が、聴牌料とノーテン罰符の差し引きでマイナス14,500点なのがボディブローのように苦しむ結果となった可能性はある。
敗因は恐らく小牌と2の三色同刻のうっかり和了見逃しだろう。

第16期プロクイーン決定戦 個人データ 浅見真紀

第四位の天音まことプロ
決勝卓の5名の中ではやはり雀力が一枚は下だったと言う結果だろう。
守備的な雀風なのは分かるが、和了率が15%以下で和了時の平均打点が5人のアベレージでは、幾ら放銃の失点を少なくしても、他3人の攻めでツモ和了失点が大きくなるだけに到底勝負にならないだろう。

第16期プロクイーン決定戦 個人データ 天音まこと

途中敗退となった水口美香プロ
ダマ回数が0回は特記すべきでしょう。聴牌即リーチ!の雀風なのだろう。初日の解説で和久津晶プロが述べていたが、「リーチまでが麻雀」みたいな感じなのは分かる。確かに自分のツモ筋に和了牌があるかどうかは運の要素が強い。
しかし、リーチ成功率が低いので、リーチ負けしているのがデータでも分かる。
素点でマイナス82,600点で和了率12.9%では勝負にならない感じだろう。

第16期プロクイーン決定戦 個人データ 水口美香

当たり前と言えば当たり前だが、流石に半荘10回程度・局数で130局程度ではデーターに大きな特徴や偏りは見られない。
やはり20半荘・260局以上は必要なのかもしれない。


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第15期プロクイーン決勝の考察

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第15期プロクイーン決定戦の決勝戦は10月15日・22日・29日の3日間で行われた。
結果は西嶋ゆかりプロが初タイトル戴冠となった。
この戦いをデータで振り返ってみた。

西嶋 魚谷 山脇 宮内 清水
親番回数 33 35 32 35 27
リーチ回数 23 32 35 33 26
リーチ率 14.2% 19.8% 21.6% 20.4% 16.0%
Rツモ回数 5 11 4 8 4
Rロン回数 8 8 13 6 5
R全和了回数 13 19 17 14 9
R成功率 56.5% 59.4% 48.6% 42.4% 34.6%
ダマ回数 16 7 7 9 2
ダマ率 9.9% 4.3% 4.3% 5.6% 1.2%
副露回数 13 30 18 14 15
副露率 8.0% 18.5% 11.1% 8.6% 9.3%
ダマ・副露和了回数 13 13 9 13 5
ダマ・副露和了率 44.8% 35.1% 36.0% 56.5% 29.4%
全和了回数 26 32 26 27 14
全和了率 16.0% 19.8% 16.0% 16.7% 8.6%
全和了点数 168,600 225,800 138,800 139,900 68,400
全和了平均打点 6,485 7,056 5,338 5,181 4,886
放銃回数 8 15 7 16 26
R後放銃回数 2 3 2 6 4
R後放銃率 8.7% 9.4% 5.7% 18.2% 15.4%
全放銃失点数 22,200 72,600 60,200 75,400 124,300
全放銃平均失点 2,775 4,840 8,600 4,713 4,781

※清水は10回戦後途中敗退となったため、2半荘分加算されてません。
※ダマ:1局の中で聴牌したとしても、終局(和了および流局)時に聴牌していなければ「ダマ」とカウントしていません。
※副露:1局の中で1回でも副露を入れたら1回とカウント。2副露3副露しても1回とカウントしています。
※R後放銃:自身がリーチ後に他家に放銃した回数。
リーチが成就しなかった時の失点や供託の加点、本場の加点や失点、他家ツモによる失点は集計していません。
データの集計方法には改良の余地は多くありますが、そこはお許しください。


集計結果的に特記すべき点は
1.魚谷の副露回数(副露率)が圧倒的に多い(高い)。
2.魚谷の全和了点数が他を圧倒している。
3.西嶋の全放銃失点が圧倒的に少ない。
これぐらいだろうか?
恐らくこのデータを見ただけでは、誰が優勝したのかを見極めることは難しいだろう。特に他家のツモ上がりによる失点データが集計されていないのでわかりにくいかもしれない。
※清水の勝ちが無いことは判断できそうだが…。
優勝争いをした西嶋と魚谷のデータだけに注目しても、データ的には魚谷が優勝でも不思議では無い内容となっている。
この要因を作ったのは、5人打ちのため抜け番があることだろう。
これを知った上で結果からデータを検証すると、一つの推測は出来る。
それは『魚谷が点数を稼いでいたのは、西嶋の抜け番だったのでは無いか…。』と言うこと。
実際に3日目の9回戦で魚谷は110,000点近い得点を稼ぎ出して居たが、その卓には西嶋は居なかった。つまり、魚谷は加点はしたが、その加点によって西嶋が失点していなかったのである。3着に甘んじた山脇は大きく失点しており、魚谷と120p近いポイントが生じた。
この差が勝者の西嶋と惜しくも二位に甘んじた魚谷との結果を分けた要因では無いかと思う。
また、西嶋の放銃による失点が極端に少ない事は、他家の先制リーチや仕掛けに対して徹底して「オリ」を選択していたと誤解しがちがちだが、実際には誰よりも無筋を切り飛ばしていた。致命的な放銃による失点が無かったことも、西嶋が戴冠した要因であろうと思う。
これはデータだけはわからないことである。

今回、僅か12半荘のデータ化だったが、打ち手の特徴は結構如実に表れるのだと感じた。
西嶋はリーチ率は低いがリーチ成功率が56%と2回に1回以上はリーチをして上がっている。一方で副露率が低くダマ率が高いので、面前重視だがギリギリまで聴牌を取る麻雀だと推測出来る。それが全和了率が16%でも平均和了点数が一発裏ドラがあるルールとはいえ、6,500点弱となっている。所謂、面前重視の良形待ち高打点タイプだとわかる。
魚谷は、副露も多くリーチ率も高いので、和了に向かって全局参加型で現代流の麻雀だとわかる。
山脇は、データ的には魚谷に近いデータとなっているが、放銃による失点よりも平均放銃失点が高いことから、その半荘で致命的な失点によって、着順を落としている可能性が高い。これが初日トータルトップながら二日目三日目と失速した要因かもしれない。
宮内は突出したデータが無いが、自身のリーチ後の放銃が多いことから、勝負手を悉く空振りに終わったことが致命傷となった可能性が高い。
清水は他4人と比較ても圧倒的にダマ回数と和了回数が少なく、放銃回数が多いことから、勝負に行って負けている事が敗退の要因なのが一目瞭然である。

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第15期プロクイーン決定戦

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第15期プロクイーン決定戦の最終日は10月29日(日)14:00~
ニコ生→http://nico.ms/lv307111303?ref=sharetw
fresh→https://freshlive.tv/jpml/151143
総合成績(2日目終了時)
①西嶋ゆかり +126.6 
②山脇千文美 +59.6 
③魚谷侑未 +47.2 
④宮内こずえ ▲116.0 
⑤清水香織 ▲117.4
第15期プロクイーン最終日
実況:日吉辰哉
解説:白鳥翔・和久津晶

1日目終了時の成績は
①山脇千文美 +70.8 
②西嶋ゆかり +41.3 
③魚谷侑未 +21.8 
④宮内こずえ ▲52.2 
⑤清水香織 ▲81.7

最終日は9回戦・10回戦までの成績で最下位が脱落となる。
なお、9回戦の抜け番は西嶋ゆかり、10回戦の抜け番は清水香織となっている。

全体的に配牌もツモ牌も噛み合わないベテランの宮内と清水が苦しい。
特に清水は西嶋との直接対決が2回しかないので、他力本願となっている。宮内にしても直接対決が3半荘しか無いし240p強を逆転するのは、ルールがWRCルールなので順位ウマが15-5なので相当に厳しいだろう。
役満直撃しても順位点込みでおよそ100p縮まるが…。

9回戦でフル全ツで打つであろう清水と、それに近い状態で打つ宮内の二人が居るだけに、山脇と魚谷の二人が互いに牽制し合いながら受けに廻る展開になる気がする。
三つ巴でも立ち回れる魚谷と、一対一にしたい山脇。考え方が違う二人が9回戦にどの着順・点数で終えるのか?これが案外決め手になりそうである。

ポイント状況的にも抜け番でも、西嶋が有利ではあるが、桜花など数多くのタイトルを取っていて、タイトル戦の決勝・最終日を何度も経験している魚谷の場慣れはアドバンテージだろう。山脇は飄々とした話し方などでタイトル戦などにはそれ程思い入れ無さそうに見えるが、一昨年の夕刊フジ杯で女王の座を99.9%手中に収めていた状況からの大逆転をされて悔し涙を流した過去があり、最近メキメキ成長しており侮れないだろう。

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第14期プロクイーン決勝卓

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9/16と9/23の両日で第14期プロクイーンのベスト8A・B卓の準決勝が行われ、A卓からは和久津晶・茅森早香が、B卓からは西嶋ゆかり・宮内こずえの4名が勝ち上がった。
これにより2016年10月15日(土)から3週連続で行われる決勝戦はディフェンディングの童瞳を加えた5名で行われる。

和久津晶は第12期のディフェンディングとして、連覇が見えるところから茅森を意識し過ぎたのか、童瞳に連覇の夢を絶たれた格好。
茅森早香は今年を含めて3期連続の決勝卓進出しているが、ギリギリのところでタイトル奪取には届いていない。
宮内こずえは第12期で決勝卓に残ったが、最終局でポイント状況から起死回生の四暗子聴牌の課程で和久津に上手く鳴かれて散った。今年は現女流桜花でもあり、連盟では初の同一期でのダブルタイトルを狙う。
西嶋ゆかりは初めての決勝卓。プロクイーンでは童瞳や大里といった新人プロが勝ち上がって一気にメジャーになる事があるが、今年は彼女のようだ。プロリーグではD2リーグ・女流桜花ではCリーグと実力は未知数ながら、北関東リーグでは沢崎誠プロや清水香織プロなどに揉まれているので侮れないだろう。
第14期プロクイーン決勝卓 童瞳 和久津晶 茅森早香 西嶋ゆかり 宮内こずえ

10月15日(土)・10月22日(土)・10月29日(土)
各日4回戦の全半荘12回戦 
決定戦は半荘10回を行い上位4名によりさらに2回戦を行う。
2位から5位の4名は翌年ベスト16から参戦となる。

展開は誰しも思うだろうが、和久津晶と茅森早香を中心に進むであろう。
ただし、お互いがお互いを意識するあまり、宮内こずえが爆発する可能性は十分にある。童瞳と西嶋ゆかりは致命的なミスをしないことが、最後まで栄冠に手を欠ける条件と見た。
いずれにしろ、守備的な選手が居らず先制リーチにもぶつけていく選手が殆ど(茅森が若干バランス思考が強いか?)の組み合わせだけに、打ち合い必死の展開で致命的な放銃を回避するか、大物手を仕上げる、或いは親番での大連荘が見られそうで楽しみでもある。

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第14期プロクイーン best8(準決勝)

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2003年に設立された所属するプロ団体を問わない女子プロNo.1を決定するタイトル戦で今年が第14期となる。
日本プロ麻雀連盟が主催しいるが、ルールはオーソドックスな1発裏ドラ有りの連盟Bルールで行われておいる。
自団体の女子プロNo.1を決める「女流桜花」よりも歴史が古い。
準々決勝からはトーナメント戦となり、準決勝の各卓上位2名と前年度の優勝者の5名による決定戦を行う。
因みに今年は第13期のプロクイーン童瞳がディフェンディングである。


第14期プロクイーン best8-A卓

第14期プロクイーン Best8 A卓
茅森早香(最高位戦)vs和久津晶vs大里奈美vs二階堂瑠美
実況:日吉辰哉・解説:HIRO柴田
ルール:日本プロ麻雀連盟Bルール
システム:半荘5回戦を行い上位2名が決定戦へ進出


【見所】
奇しくも昨年の決勝で相対した4人が準決勝で対戦することとなった。昨年は和久津がディフェンディングで、茅森・大里・瑠美・童瞳の5人で対戦。
実力で言えば、茅森・和久津・瑠美が抜けているが、大里も連盟の女流では成長株筆頭とも言える存在。
この4人は昨年の決勝卓に残ったシードなのでベスト16からの登場で1回しか戦っていないが、それぞれ「らしく」勝ち上がった感じであった。
茅森は終始盤石の展開で危なげない局面が殆どなく通過。
和久津は1回戦目に四暗刻をツモ和了され国士無双の出アガリを決められ、2人が抜けた得点状況をきっちり捲っての通過。
大里は三つ巴の展開の中、きっちり攻めきって和了をモノにして通過を決めた。
瑠美は二位通過争いを制して通過を決めている。
この4人は殆どミスが無いので、対局当日の配牌と自摸次第。その日の調子次第。と言った所だろう。
実力伯仲の戦いは時に一方的なワンサイドゲームになることがあるが、そうなっても大逆転を起こすだけのモノを持っている面子だけに最後まで見逃せない。


第14期プロクイーン best8-B卓

第14期プロクイーン Best8 B卓
西嶋ゆかりvs日向藍子(最高位戦)vs足木優(最高位戦)vs宮内こずえ
実況:日吉辰哉
解説:佐々木寿人
ルール:日本プロ麻雀連盟Bルール
システム:半荘5回戦を行い上位2名が決定戦へ進出


【見所】
実績なら現女流桜花の宮内と最高位戦リーグで女性で唯一B1リーグ所属(最高位戦は最上級がAリーグで、その次がB1リーグになる)しており、女流モンド新人王も獲った日向が抜けた感じだろう。
日向と同じ最高位戦の足木も女流最高位リーグのAリーグに所属しており実力も高いと言えそう。
そして西嶋はほぼ無名と言っても良いだろう。女流プロのお披露目的な夕刊フジ杯にも登場した事が無いと思う。しかし、昨年の現プロクイーンである童瞳のように予選から勝ち上がってくるだけの実力と運を持ち合わせているので決して侮れない。
宮内のオーラや圧力に屈する事無く自分らしい麻雀を貫いた選手が勝ち上がりそう。



今節の14期プロクイーンのベスト16までは協会の「命(みこと)」プロが残って居たが、残念ながら敗退となった。

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