タグアーカイブ | 十段戦

第33期十段位は藤崎智

LINEで送る
Pocket

「十段戦」は「鳳凰戦」に次ぐ、日本プロ麻雀連盟のビッグタイトルである。
連盟にはG1と言われるBIGタイトルがあり、
リーグ戦の最高峰「鳳凰戦」
トーナメント戦である「十段戦」
そしてオープン戦の「王位戦」
である。

これを獲得すると、その年の近代麻雀主催の「最強戦」ファイナルにシードされる。更には麻雀モンドTVの出場チャンスもある。
50歳以下なら「モンド杯」で、50歳以上なら「名人戦」である。
この人気番組はリピートを入れてその視聴者数は、1,000万人になるというからネット配信では無く地上波やBS・CSと言うテレビの電波力は絶大である。
一夜にしてそのプロの名は、全国に知れ渡るのだ。

奇しくも今季の十段戦も決定戦進出者はシードの柴田吉和、櫻井秀樹、藤崎智、ダンプ大橋の4人は前年と同じ。
そしてもう1人が初段戦からどんどん勝ち上がり、12のハードルを飛び越えてきた上田直樹だ。

既に3日間の対局が終わって、第33期十段位が藤崎智に決定となった。
ハッキリ言って藤崎の圧勝である。
こう言っては敗れた決勝メンバーには失礼かもしれないが、実力差がありすぎた。
上田直樹pは新人だし多少致し方ないとは思う。藤崎pが初めて十段位を獲得したのも新人で決勝卓まで残り、翌年のシード権を活かしての獲得だっただけに、上田pには来年の活躍を期待したい。

ディフェンディングの柴田pも実力不足が否めない。
十段位を獲得したのもオーラスの国士無双和了が劇的だったので強烈な印象を残しているが、十段位獲得で出場できたタイトル戦では殆ど鳴かず飛ばずの成績だし、鳳凰リーグ戦でもC1リーグに甘んじている。

ダンプ大橋pに至っては猛省レベルだ。
初日の1回戦南1局で子の先制リーチに親でも無いのに無理に突っ張り放銃し、バランスを自ら崩す。そして親に1,500点の放銃から、櫻井にメンチンの12,000放銃で箱下に沈む。結局初日はトップを1回獲ったモノの小さいトップで2ラスで大きく出遅れる結果となり、ボーンヘッドとも言える放銃などもあって3日間通して日の目を見ること無く最終日には藤崎へ大三元放銃で足切り敗退となり、2年連続で足切りとなった。

櫻井pは初日・2日目こそ食らい付いたが藤崎を捉えられない展開で我慢出来ずに放銃に回ってしまう転換。勿論、ポイント状況から致し方ないところでもあるが、彼が十段位を獲得したときには、もっと我慢出来ていた気がする。
そうしたことがA2リーグでも最下位に沈んでいる要因なのかもしれない。

藤崎+56.5P 櫻井+46.8P 上田▲14.2P 柴田▲40.0P ダンプ▲50.1P

二日目は初日トータルトップの藤崎が絶好調。
他家の勝負手・本手のあたり牌を掴まない。しかも、フリテンリーチに行っても高目を一発(Aルールは1発は無いが)ツモするし、忍者と言われる由縁の高打点闇テンを当面のライバルである櫻井より討ち取るなど、トータルポイントを加点し、ライバルになるトータル2着の櫻井との点差を着実に広げる結果となった。その差100p。役満があるとはいえ、追う櫻井としては、この日の選択で最終日の9回戦目の抜け番を選択した藤崎と直接対局出来るのが3回しかないので相当苦しい展開である。まして、タイトルを狙う!とは言うモノの現実的には沈んでいる3人は足切りが気になるので足切り回避の戦いになる。
2日目(8回戦終了時)
藤崎+137.1P 櫻井+38.0P 上田▲49.5P 柴田▲53.2P ダンプ▲73.4P

最終日は9回戦の初戦が藤崎の抜け番だけに、櫻井としてはトップ必須だが、ラスに沈んでほぼ勝負は決したと言える格好となった。
そこで迎えた10回戦。南場に入ってラスに沈んでいる藤崎。浮きの2着に櫻井となりトップラスを決められる並びが出来た。
しかし、藤崎に反則とも言える大三元の配牌を貰い、早々1鳴きを入れて大三元聴牌。上田はロン牌の發がいつ出ても不思議では無い状態ながら、こらえて居たところにダンプが發を持ってきて長考した後放銃。
10回戦の順位は上田-藤崎-櫻井-ダンプ。藤崎-櫻井の差は135.0pこれで99%勝負は決したと言って良い展開となった。ある意味で残り2戦は消化試合である。
一発や裏ドラ・槓ドラが乗るルールなら、親番の大連荘で奇跡的な逆転も起こるかもしれないが、なにせAルールである。しかも、逃げているのは藤崎だ。藤崎は櫻井だけを見れば良い。櫻井の親番なら他二者に放銃しても通行料でしか無い。
結果は藤崎トップ、櫻井ラスで99.999%藤崎の十段位が決した。

LINEで送る
Pocket